ベア相場の始まり

皆さんご存知の通りでしょうが、ここ2か月で世界の株式市場、とりわけ日本市場はかなり下落しました。この下落に関して調べてみたところ、15%超の下落は過去40年くらいを振り返れば、何度かあったことでありまして、そのうちここ20年くらいに多く生じているのですが、15%超の下落から回復したことは、なんと一度もなかった、ということがわかりました。

最近のTOPIXや日経平均株価チャートをみれば一目瞭然かなと思いますが、とうとうベア相場が始まった、と言っても過言ではないでしょう。ちょっと回復したかなと見える状態が少し出ては、その直後にボロボロになる、というのがこれまでによく生じているパターンです。例外としては、1987年10月のブラックマンデー、もう少し過去になると1973年のオイルショックのときからは、回復しております。

1987年は、アメリカ経済が堅調で、日本でいよいよバブルが始まるというまさにイケイケの相場のとき、1970年代のときも、オイルショックはあったものの、日本経済が伸びている最中で、まさに成長ストーリーがあったんです。こういった観点から過去と比較して相場を見ると、今回の下落相場からの回復は、経済環境からしても、ちょっと考えにくいかなという気持ちになっています。

原油価格下落と中東情勢、サウジアラビアについて

原油価格の下落については様々な議論があり、アメリカ、ロシアも含めた原油戦争が繰り広げられているとか、いろいろ言われています。

中東情勢の専門家ではないですが、サウジアラビアなどの情勢を見る機会も増えています。興味深いことに、中東で革命が起きた国は原油が無い国、つまり貧困な国から順番に内戦が起きてますね。ところが一方、ヨーロッパでの革命の歴史を見ると、革命がおこる条件と国の豊かさにはそれほど関係性がありません。そこで思い出したのは、1917年に『国家と革命』でレーニンが提議した革命が起きる3つの条件です。

  • 支配者階級が、いままでどおりの形で、その支配を維持することが不可能になっていること
  • 被抑圧階級の欠乏と困窮が従来以上に厳しくなっていること
  • 大衆の諸活動が著しく高まってきていること

中東情勢を見ると、もともと、一つめの条件にあてはまるようなことがあちこちで起きていました。サウジアラビアについては、原油価格が下落することにより、現金の支給、公的サービスが無料、という現状を維持することができなくなってしまう可能性もあります。政治的にも、王室に様々な変化があって、今まで通りのやり方では国の運営が難しくなってきています。

次に二つめの条件について。中東で革命が起きた国は、貧困や汚職が酷いなかでおきています。僕の知り合いの某企業の社長が中東に行った際、サウジアラビアに寄ったのですが、
インフラの状態、例えば町で走る車を見ると先進国とは程遠い、と驚いていました。どうやら、ある程度の現金支給はされているものの、それほど豊かでハッピーな状態にある国民でもないようです。少しでも財務的、金銭的な状況が悪化すると、国民は、もう嫌だ、となることがあり得るのではないでしょうか。

そして三つめの条件について。強い警察、軍隊、支配のもとで国を運営していることで有名なサウジアラビアですが、国内でも少し焦りが出ているのではないでしょうか。支配がそれほど十分に強く及んでいない可能性もあり得るので、サウジアラビアを起点とした革命に近い状態が勃発しやしないか、ということを懸念しています。

以上、3つの条件にあてはまってきているのじゃないか、と感じ、中東情勢に注目しています。

コモディティ価格の不透明な動き

今回の相場で、短期的な展開で興味深いものがあります。それはコモディティ商品。相場を動かす要因のうち、何がどこでどう起きているのか、前回の金融危機のときと比べると、ずいぶんわかりにくい状況です。

というのは、リーマンショックの時は、不安を示すデータが目の前にあり、不思議なことに、みんなによく見える状態で問題が展開していたんです。いろんなブログでもその問題については書かれていて、データのうえでも悪い要素があることを示していました。それでもああいう結果になってしまったのですけどね。

今回のコモディティ価格の状態については、データやブログからの情報を、いろいろ調べてみたものの、全体が見えなくて、一番キーになる情報が足りないのです。例えば中東諸国、原油生産国の状態がどこまでまずいのか。極めて困っていると考えられるロシアの状況がほとんど見えないし、中国の実態も依然として不透明です。どこかで債務不履行が発生するとしても、それがどこから出てどこで終わるのか、読みきれない。特にシェールガス関連はインパクトの想定が難しい。他のコモディティ関連では、グレンコアといった商社も、一度警告ランプが出ました。その後、静かになりましたが、実態がどうなっているのか、十分見えないままです。

最近のコモディティ価格の動きは、キーとなる情報が足りないため、不透明感ゆえに不思議な感じ。チャートで見ると2008年の大きな下落は、まさに今年の1月のような揺れで始まったので要注意じゃないかな、と感じます。
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コーポレートガバナンス・コードと会社予想の関係

日本企業の来期の利益成長は、鈍化するとの予想でコンセンサスができつつありますが、この理由は、日本企業の姿勢が保守的だからではないかということが一番大きい、と思っています。業績がそれほど悪くない会社ですら、為替効果を除いても、慎重論が出ているような気がします。これには、コーポレートガバナンス・コードが影響もしているだろう、というのが僕の推測です。

コーポレートガバナンス・コードの適用で社外取締役が増えると、企業統治の観点から、積極的な会社計画を出すのが適切なのかどうなのか、いいのかそれで、という話が以前より出てくるだろうと思います。そういう話が出ると、来期の予想は失敗の責任追及がおきにくくて、意見のまとまりやすい「慎重なモノ」にしておこう、となりそうです。

さらには、為替に目を転じると、さすがに117円/ドル近辺の現状で、120円/ドルになるだろう、と言える勇気のある人は少ないので、115円/ドルをベースにしていた企業が来年も同程度とか、あるいはもう少し保守的に、となる可能性があります。そうすると、いろいろ考慮したら減益予想になってしまった、というケースもあるでしょう。

この通りになってしまうと、日本の株式市場は2016年5月から、サヨナラです。Sell in May and go awayがそのまま適用されることになってしまいます。5月までに残っているのは2月~4月だけですが、日本相場がそれでも上がる要素は4つあると考えています。

- アメリカの株式市場が上がり、日本市場も一緒に上がる
- 安倍首相が必死に何かしたくて、アベノミクス宣言する(でも甘利大臣問題が=>余り大臣の問題へ?)
- 夏まで何もしないと言われている黒田総裁が、4月までにサプライズで何かを出す(明日?!)
- 円安になり、相場を押し上げる(でもなんで?結局、黒田氏次第)

春までは雲がかかったような状態で、これにさらに1月の恐怖が加わってますので、先行きが読みにくくて気持ちの悪い相場となっています。とはいえ、急に相場が反転すれば、春のラリーの可能性が再浮上するのも早いでしょうから、まだ絶望的になるほどではない、かと思います。

バブル崩壊後の株式市場動向から思うこと

日本のバブル崩壊以降では、アメリカの株式市場が下がっている時期に、日本の株式市場が上がっていたことは一度もありません。その逆にアメリカ市場が上がっているのに、日本市場が下がっていたことはあります。

従って現在の、日本の株式市場の相場を考えようとすると、アメリカの株式相場についてと、日本の市場の固有の要因を見なければならないのですが、正直なところ、アメリカについてはよくわかりません。

ただ、アメリカの上場企業の利益が増えていないというのは事実です。シェールガス関連企業の倒産リスク、信用リスク、もっと言えば、コモディティ関連企業のリスクが増加しているのは間違いありません。大手石油会社からは配当カットの話も出ています。

さてアメリカはともかく、日本はどうなんでしょうか?
弊社の顧客企業から聞こえてくるのは、「最近は円安効果が完全に止まっている。更に円安が進まない限り、今年の前提と比較して若干の円高気味になっている」という話です。確かに120円/ドルと比べると、今は117円/ドル付近となっています。

国内の実需については、来年に向けてなら割と楽観的な意見が多いですが、現在の状況は、それほど良くないという話です。調子がいいのは自動車関連くらいでしょうか。

来期の売上の伸びについて、僕は少し慎重派です。中国の成長鈍化が日本に対する影響はそれほど大きくないだろうと言われているものの、影響がなくはないです。東南アジア諸国や、コモディティをつくる産油国を含めた国々についても同じことが言えて、日本は直接的にも間接的にもある程度影響を受けるはずなので、成長鈍化へのインパクトが結構あるんじゃないかと思っています。

コンビニとアルコール飲料の購入

今年も年の瀬となり、皆様もアルコールを摂取する機会が多かったことかと思います。今回はアルコール飲料の購入の際に思ったことをお話しします。

大手コンビニ3社(ファミリーマート、ローソン、セブンイレブン)とも、未成年者へのアルコール販売防止策として、販売時のシステムを一応導入していますよね。このシステムでは、客がアルコール飲料を購入する際、購入者は画面上で購入可能な年齢であることを申告する確認ボタンを押すことを要求される場合があります。

3社の違いは以下の通りです。
ファミリーマートでは、「年齢確認が出来る証明書を掲示する必要がある可能性がある」という文章が画面表示されるだけで、ボタンを押す必要はありません。
一方、ローソンとセブンイレブンでは、誰かしらが確認ボタンを押す必要があります。ローソンはたいていの場合、店員さんが押してくれます。ところが、セブンイレブンの場合は店員が押すことはなく、購入者自身が押さなければならないようです。

外国人インバウンド観光が増える状況ではあっても、アルコール飲料販売に関する注意書きは日本語のみで書いてあり、口頭でも日本語で、「押してください」と伝えています。外国人観光客がよくわからないような顔をしたら「Please push this.」と言ったりしているのを見たことがあります。観光客からしてみれば意味が全然わからないのに、どうして押せと言っているのだろう、と不可解に思うことでしょう。

そんな状況のなか、最近、ローソンで僕がアルコールを買おうとしたとき、店員さんが確認ボタンを押してくれないことがあって、軽く言い合いになりました。「そもそも僕が未成年に見えるの?」と年齢40歳前後で身長190センチ近い僕が言うと、「いや、見えません」とすぐに回答が返ってきましたが、「それじゃ、なんで押さなきゃいけないの?」と聞けば、「みんな自分で押しているから…」と返される始末でした。

日本ではルールをつくるのは、細かいですが、ルールの運用が画一的で、何のためにルールを作ったのかが適用時に配慮されていない感じのするときがあります。坊主頭の人がプールで水泳をするときにも、ルールだからと水泳帽を着用させることが当然のようにある、という話になります。コンビニで誰が見ても未成年ではない人に、成年確認ボタンをわざわざ押させるのは、馬鹿げているんじゃないかな。でもみんな仕方ないから押すんですよね。

このボタンを押すカロリー消費量を考えると、一日に何百万回も実施されているとすれば、この動きのために日本中で消費されているカロリーだけで新幹線を動かせるくらいになるんじゃないでしょうか?日本全体のシステム構築コストも結構かかったことでしょうにね。

この確認ボタンを押す作業は、店員さんとトラブルになる可能性があるし、外国人観光客が購入する際のことばの問題も前述のとおりなので、現在のやり方を変更した方がいいんじゃないかなと思います。決して、自分がローソンで不愉快な思いをした腹いせで言っているわけではありません。ひとつの問題提起です。

ただ、未成年へのアルコール販売は店側に罰則がありますから、自衛手段としてシステムが設けられたのだろう、仕方がないな、ということは、成年の僕には理解できます。この程度のことでイライラしないように、と思いつつ、こんな面倒な手続きを毎回するんだから、もう少し余分に買っておこうか、とついつい買いすぎてしまわないためにも、気持ちを穏やかにしているほうがよいでしょうね。

認知症患者と運転免許について

少し前ですが、認知症患者による交通事故がまた起きました。これは高齢化社会というだけが原因で起きている問題ではないと思います。

現在の制度では、免許証の更新期間が満了する日の年齢が70歳以上で免許の更新を行う方は、高齢者講習を受けます。さらに75歳以上の方は、講習の前に認知機能についての講習予備検査があります。しかし、この検査の結果如何に関わらず、免許証は更新されるということです。安全第一の日本がなぜこんな不可解なことをしてしまうのでしょうか。

実はこれ、地方の公共交通網の脆弱さが原因かと思います。つまり、地方在住の高齢者にとって、自分で運転する自家用車が生活の「足」となっています。こんな状態なので、高速道路を逆走したり、アクセル、ブレーキを踏み間違えたりして、他人の命を危険にさらす認知症患者でも、生活のために自動車を運転しているのです。

車道と歩道の区別もできない人の免許を更新し、1トン超の鉄器を与え、他人の命を奪うリスクを高めてもいいのか?というのが大きな疑問です。高齢者も視聴しているから、テレビ各局の報道もすごく遠慮がちで「地方にいる高齢者の生活の足を奪うことができないから、あなたの家族が犠牲になりました」と遺族に言うことは絶対にないでしょう。

2年くらい前にも同じような事故で奪われた命があり、その時も報道がありましたが、状況は全く変わっていません。政府が税金を使いたくないからでしょう。

以前、ラトビア国内をドライブしていたとき、森の中にまでバス停があったことに驚きました。一日一本程度の運行であれば、それほどコストがかからないでしょうが、日本では地方交通網の整備は自治体負担となるため、今のところ認知症高齢者の免許を更新するという不思議な世界になっているんじゃないでしょうか。

認知症の怖いところは自覚がないところです。高齢者講習や講習予備検査は、認知症患者に自覚してもらい、自ら運転免許を返上してもらうためにあると思いますが、生活の「足」がなければ運転を辞める人はでないでしょうね。

日本の少子化問題の解決策

中国が労働人口の減少や高齢化による経済の失速を懸念して、一人っ子政策の廃止に踏み切りました。僕には3人の子供がいて、もうすぐ4人目が生まれます。手当てが少しもらえるらしいですが、保育園コストを少し負担してもらうにすぎないレベルです。子育て支援策としては物足りなく感じています。

ここで僕の考える少子化問題の解決策を提案します。子育てが好き、かつ世帯収入が多い家庭に、もっとインセンティブを付けるのです。日本では一般扶養控除38万円、特定扶養控除63万円があります。子供2人目まではこのままでいいと思います。ただし、人口を増やすために、3人目からは控除額を300万円にします。子供を3人もつくる世帯は少ないので、国家予算への影響はほとんどないでしょう。教育資金の贈与非課税という制度もすでにあるので、効果予測も比較的簡単ではないかと思います。

子育てには時間も使うし、面倒なことも多いですが、それでも子育てが好きな人に、手当をばらまく代わりに、税金を減額するんです。1,000万円以上年収がある世帯の税金を減額することで、消費が刺激され少子化の解決策になるかなと考えます。高所得者は累進課税で税金を沢山払っていますので、子育てに対する所得控除のインセンティブは大きいと思います。

この策により、子供への教育投資が増えそうな気がします。そもそも高所得者は比較的いい大学を卒業していて、教育熱が高いながらも、一番子供をつくらない層でもあります。この層の中にはそもそも子供好きな人もいますが、同じ層の世帯と比較して生活の水準を下げたくないという気持ちも働くでしょう。そうすると1人または2人の子供に過剰投資し、甘やかしたりして、不幸にするケースも出てきます。一方で子供が3~4人いれば楽しいですけど、すごくお金がかかるので生活にゆとりがなくなってきます。子供の習い事で、毎月お金がどんどん消えていくんです。そんな世帯には大きな控除が非常にありがたいことと思います。

子どもが、生きた英語を使えるようになったり、高度専門職に就ける能力を教育投資で身に着けられれば、日本経済成長のためにもなるんです。その投資は全部消費に回るので大きな経済効果も期待できるでしょう。一世帯当たりの子供の数が増えれば、7人乗りとか大きな車も売れるようになるでしょうし、遊びや習いごと関連の消費も増えると思います。

これが僕の考える少子化問題の解決策です。マスコミに送りたいくらいですね(笑)

日本人と習い事

自分には小学生の娘がいますが、結構幼いころからから水泳やバレエを習わせています。東京でスクールなどに通っているわけですが、子どもに対する習い事への親の注力の具合について、日本と欧州諸国の人々では、ずいぶん違うように思います。

私の母国、東欧エストニアの水泳連盟は、国際レベルの試合に向けた練習回数の目安として、中学生未満では週3回まで、中学生では週4回、高校生でも週5回までとしています。一方、日本では本人が頑張れるのであれば、7歳から週8回の練習が可能ですし、他のスポーツ種目においても同じく練習漬けにできるそうです。野球など、日本が世界の上位に入るレベルのスポーツともなると、子どものうちから1日2回の練習も当たり前にこなしています。国際大会に出るクラスのスポーツ選手になるには、天賦の才能がなければ、いかに練習漬けにしようとも達成困難ではないかと思いますが、練習すれば誰でも一流選手になれるかのごとく、多くの子どもたちが猛練習を課せられている、というか打ち込んでいます。小学生くらいの子どもは、自分の意志で練習しているのかどうか疑問に思うときもあります。

習い事だけでなく、日本では、学校が終わると塾へ行く子をたくさん見ます。結構、お疲れな子どもが多いんじゃないかな。それでも残念ながら、アジアの中で、数学の学力では負けているとか言われており、少し気の毒かなと思います。他の国の子どもがもっとがんばっているのか、何か効率が違うのかはわかりません。欧州では学校が終わってからは、レクリエーションとしてスポーツをやるくらいで、塾に行くという話を聞いたことは、あまりありません。ところで、東京で育てているうちの娘は学校が終わってから、水泳またはバレエに行き、宿題をしてから寝ています。エストニアで育った自分は、子どもの頃は、とにかく遊んでばかりでした。遊んでばかりで塾に行かなかったゆえに、社会人になってから何かハンデを感じたということは、ほとんどありません。では、どうして自分の娘にそんなに多く習わせているのだろうか。それは東京の空気によるものなのだろうか。

なぜ、自分も含めて、親は子どもにタイトなスケジュールで習い事をさせているのか、日本の空気に流されているのか、欧州の子どもは、なぜそれほどまでにはしていないのか。自分の子ども時代を思い出しても、欧州の子育てを見ても、やらなかったからといって大人になって何か不自由を感じるとは思えないにもかかわらず、自分の子どもには時間いっぱい習い事をさせてしまっている。世界のどこに住んでいても、親が子どもに期待すること、幸せになってほしい、という気持ちは変わらないでしょうから、さまざまな方向に伸びてほしいという期待分野のうちで、実現させやすい環境にあるものを選択して育成する、バイアスがかかってしまうのでしょう。日本では、子どもが遊んでばかりいられる環境に乏しく、習い事をたくさんする環境が相対的に充実しているがゆえの、親の選択行動が生じているのかも知れません。

とはいえ、子どもが将来どういう人物に育ち、どんな人生を送るのが、親も子も幸せなのか、それは、社会的に成功すれば幸せになることが確実というものでもないでしょう。難しい問題ですから、どこの国、地域で育てようと、無理のない範囲で、充実した子ども時代を過ごしてくれればいいのかな、と思っています。

郵政3社の上場と株式市場

11月4日に、郵政3社が上場します。ところが、株式市場が活発でない、非常に微妙なタイミングとなりそうです。これらの銘柄は、日経平均株価などの指数に入るゆえにファンドが買いますので、IPOは成功することになるでしょう。最初は個人に1兆円くらい販売するでしょうが、この額は決して小さくありません。多くの個人投資家の皆さんは既にNISAの100万円枠をほぼ使い切っている可能性がありますし、NISA枠に入っている資金は流動性が低いと思います。すると1兆円規模のIPOでも、それほど株価は上がらないのではないかなと考えてしまいます。証券会社も個人に勧めるし、ファンドも買うので、上場後はしばらく上がるかもしれませんが。

しかし、株式市場のサイクルをみても、上場のタイミングにしても相場には逆効果になる可能性があります。郵政3社の株を買って、少し株価が上がって、投資家の皆が少し気持ちが良くなったところで、2016年春くらいからは株価が上がらないような気もします。そうなれば、NISA枠の資金も蓋を開けてみたら、大して儲かっておらず、株式投資へのマインドが弱くなるのではないかと思います。

2016年には参議院選挙があります。懸念材料が安保法案関連だけであれば、安倍政権は負けないかと思ったのですが、郵政3社の上場が株式市場にあまりいい影響を与えず、上げ相場にならず、経済成長が鈍化する場合、危うくなる可能性もあります。経済政策が中途半端な結果になると株式市場に悪い影響を及ぼし始めます。相場のピークはいつ頃かというと、2016年春の3月~4月辺りでしょうか。次のブルマーケットは、東京オリンピック後になってしまうかもしれません。