原発再稼働をめぐる議論から感じたこと

日本では原発再稼働についての議論が繰り広げられていますが、再稼働してホントに大丈夫なんでしょうか。ヨーロッパならものすごい反対運動がおきるかも知れません。

ある会社の専務と先日会ったんですが、彼はちょうど福島の工場への出張から戻ってきたところだったので、原発関連の話をしました。原発から20kmくらい離れているところにあった工場は、全部アウト、操業できる状態じゃなかったんですが、たまたま別の地域で大きな工場を比較的安く手に入れたので何とか乗り越えたんです。2015年の今でも、元の工場一帯は2.5マイクロシーベルト/h超で、今でも放射線量の高さは半端じゃないようです。

そもそも県民に対する責任とか、人の命、夢、暮らしを含めて、何にも片付いていないように思えます。同じような事故を二度と発生させないような対策がされない状態のまま、再稼働しても基準上は大丈夫だから、という流れになっているのではないでしょうか。

世界で最も厳しい基準だと言われている新基準にも甘さがあります。例えば老朽化対策については、新基準とは別の審査となっており、運転期間が40年以内の原発には適用されていません。40年以内の原発は、新しい基準に則って審査しているから問題ないよ、という感じです。

それにしても、原発再稼働についてなんで大きな反対運動が無いのか不思議です。小さな抗議はあるものの、なんでデモがないんでしょうね。すると、再稼働しても構わないと受けとめられ、いつのまにか再稼働していたということになりそうです。そして再稼働したことについて、誰に責任があるのか結局よくわからないね、という話になります。

つまり最終的には、国民として、気になる、気にならない、程度の話に捉えられています。なんか少し騒いでいたけど、最終的には騒ぎも収まるという感じで、よくあるパターンなんです。原発については長期的に見ればマイナスで、電気料金が上がる下がるの問題とは比較にならないのにと思っています。