年末年始にエストニアに滞在していたとき、ロシアのニュースを見ていて感じました。原油価格の下落がロシア経済に影響を与えてきているな、と。
まずはウクライナの話です。ロシアとしてはウクライナがEUやNATOに入るのは絶対避けたいのです。これは感情的なことではなくて、元々のロシア帝国時代と同じで、自国防衛上の観点からロシアは自分の周りに緩衝国を作りたいわけですよ。昔のような、明らかな冷戦状態ではありませんが、西側諸国のイギリスやアメリカなどは、ロシアにとってはやっぱり敵だということなんですね。だからこれらの敵と自国の間に緩衝国をつくりたいと思っている訳です。ウクライナは明らかに緩衝国だったんですが、EUやNATOに入ってしまうと、それが突然敵になってしまうということなんですね。
そもそもウクライナは東スラヴ三国の一つです。あと二つはロシアとベラルーシ。ウクライナはロシア帝国時代に(厳密にいうとロシア帝国以前の14世紀から)マロロシア=「小さいロシア」と呼ばれていました。因みに、ベラルーシは白いロシアを意味します。つまり、ウクライナ人は民族的にロシア人に極めて近いし、昔からロシア人には弟扱いされています。ロシア帝国時代のロシアはこれらの地域を自分の家の庭みたいな感じで見ていて、ウクライナが国として独立したときは仕方なく認めましたが、コントロールはしようとしていました。以前、クリミアを手放したときも、仕方ないことだと思ってはいたものの、面白くないと感じていたんです。
今回は、東ウクライナがロシアの一部になるか、不安定な現状のままでずっと続くか、どちらかのシナリオになると思うので、ロシア側から「もういいです。やめましょう。」ということにはならないでしょうね。