ニュースから感じたロシア情勢①

年末年始にエストニアに滞在していたとき、ロシアのニュースを見ていて感じました。原油価格の下落がロシア経済に影響を与えてきているな、と。

まずはウクライナの話です。ロシアとしてはウクライナがEUやNATOに入るのは絶対避けたいのです。これは感情的なことではなくて、元々のロシア帝国時代と同じで、自国防衛上の観点からロシアは自分の周りに緩衝国を作りたいわけですよ。昔のような、明らかな冷戦状態ではありませんが、西側諸国のイギリスやアメリカなどは、ロシアにとってはやっぱり敵だということなんですね。だからこれらの敵と自国の間に緩衝国をつくりたいと思っている訳です。ウクライナは明らかに緩衝国だったんですが、EUやNATOに入ってしまうと、それが突然敵になってしまうということなんですね。

そもそもウクライナは東スラヴ三国の一つです。あと二つはロシアとベラルーシ。ウクライナはロシア帝国時代に(厳密にいうとロシア帝国以前の14世紀から)マロロシア=「小さいロシア」と呼ばれていました。因みに、ベラルーシは白いロシアを意味します。つまり、ウクライナ人は民族的にロシア人に極めて近いし、昔からロシア人には弟扱いされています。ロシア帝国時代のロシアはこれらの地域を自分の家の庭みたいな感じで見ていて、ウクライナが国として独立したときは仕方なく認めましたが、コントロールはしようとしていました。以前、クリミアを手放したときも、仕方ないことだと思ってはいたものの、面白くないと感じていたんです。

今回は、東ウクライナがロシアの一部になるか、不安定な現状のままでずっと続くか、どちらかのシナリオになると思うので、ロシア側から「もういいです。やめましょう。」ということにはならないでしょうね。

ガバナンスコードと日本企業

今回はガバナンスコードの話です。ガバナンスコードについてポジティブ サプライズが少しずつ出ているんですね。細かくて専門的な話に聞こえますが、今回ガバナンスコードの草案に社外取締役という概念が入っています。さらに、二人以上の社外取締役を義務付ける、ようです。あまり、すごさがピンとこない方もいるかも知れないですけど、これは結構すごいことです。

何がすごいかというと、場合によって日本企業の経営が変わるぐらいにまでなりそうです。なぜかというと、今、委員会設置会社というのがあって、社外取締役を中心にメンバーを組んで役員報酬を決める報酬委員会をつくる仕組みがあります。この仕組みの何がすごいかというと、基本的に社長がきちんと仕事をしているかどうか社外の人たちが監督するということで、そうすると社長のモチベーションを高めようという動きが出てきます。つまり、日本の社長がもっとお金もらえるようになるのではないかと。この社長の報酬が会社のパフォーマンスにリンクし始めるのではないでしょうか。

一方で、自分が立てた目標を達成しない場合には社外の人たちによって更迭される可能性もあります。これらは、すぐにはわかりにくいことですが、非常にポジティブなことだと感じています。もちろん、ROEの目標設定とかも明らかになるし、ROEを設定するのに貯めすぎたキャッシュとかを増配などによって株主に返す。これも、引き続き大きなテーマとなります。今回はキヤノンが結構増配したり、株が4%上がったりというのを見ますと、市場に小さなポジティブ・サプライズの重なりがおきるでしょう。