米国のTPP不参加

米国大統領選の結果により、米国のTPP不参加がほぼ決定的となっている。米国の不参加がどうなのか、日本国にとってどうなのかを、ここで論ずるわけではないが、強く思うことがあった。それは、膨大な時間が無駄になったな、ということである。

TPP参加について、日本も米国も、大量の関係者が、準備作業に関わってきたであろう。些細なことまで漏れがないよう、詰めてきたに違いない。ひとつひとつの局面で、反対意見があれば、資料を用意して説得し、公式、非公式の打合せを何十回も重ねてきたものと思われる。その過程では、評価された人、外された人、人生を左右してきたこともあろう。これがライフワークだと、人生を捧げて頑張ってきた人もいるのではないだろうか。
それが、大統領選の結果により、すべてが、なかったこと、になってしまうかもしれない。この経験を生かして、と、他のことで役に立つことがあるかも知れない。しかし、成果を目指して捧げてきた個人の情熱や費やした時間、人生は取り返すことができない。何ともせつない。
それに比べれば、株式投資の損失は、他で取り返すチャンスがある、と言えなくもない。リスクについては十分な理解が、後々の精神的ダメージを小さくすることに寄与します。株式投資にあたっては、シェアードリサーチのレポートに目を通していただけると、リスクについても理解を深めることができると思います。ホームページに掲載していますので、ご利用ください。

渋谷のハロウィン

アパレル企業の決算説明会や取材に行くと、洋服が売れない、という話を最近よく聞きます。可処分所得にゆとりがあるにもかかわらず、洋服が売れてない、ということであれば、買った服を着る機会、見られる機会があまりない、ということではないかな、と思っていました。
ハロウィン直前の週末に、渋谷でコスプレを見せ合う光景が広がっていた、という報道がありました。集団行動によるネガティブな面が気になり、苦々しく思うこともあるでしょうが、経済的にはそのイベントに起因して、一定の需要が発生しています。たった数日しか使わない衣装や雑貨にコストをかけている人たちが、相当数で発生しています。ここでは、買った洋服を着る機会があると、新たに消費が生まれるという事象に注目したい。先日、あるテレビ番組で、年金受給世代の男性に取材していましたが、ここ10年以上、洋服を買ったことがない、という回答者が多く放映されていました。真偽はともかく、新たに洋服を買う意欲がないという人たちは、結構多いのではないかな、と思います。
センスのいい高品質の服を製造販売する、ということは、たくさんの企業が努力しています。それでも需要がなくて、洋服が売れない。有効需要が創出されるような外部環境の変化、例えば、クールビズのようなビジネスシーンの変化、ハロウィンのようなイベントの増加、などが現状を打破するきっかけになるのかな、と渋谷の群衆を見て、ふと思いました。