内閣支持率低下とアベノミクスの先行き

安全保障関連法案の閣議決定後、海外投資家から「安倍総理の力が弱まり、アベノミクスをはじめとする経済政策や戦略が実現できないのではないか」という懸念が聞こえています。

コミュニケーション戦略、オフセット戦略も踏まえて、自分たちの政権で法案を通したかった理由があるとは思いますが、やっぱり世論とか選挙だけではないので、せっかく法案を通しても、経済に対しても責任をもって取り組まないといけないし、黒田さんが始めたことが中途半端で終わって欲しくありません。

市場に対しても、バリュエーションがいいところに来ている中、結局、アベノミクスで何をどこまで真面目にやれるのかが懸念材料の一つとなっています。ホントにコントロールがきいているのか、戦略はあるのか、安全保障関連法案を無理やり通したので、安倍さんの政治的求心力の低下につながったのではないかといった疑問が出始めます。支持率の低下と共に、自民党内も含めた様々なところで妥協し、公明党などとの関係も複雑になって身動きが取れない状態になり、アベノミクスという経済戦略を続けることができない、となれば大変なことですよね。支持率の低下がアベノミクスのスピード低下につながるのではないか、と、海外投資家と同様、私も内閣支持率の動向には注目しています。

TPPと親友米国によるスパイ活動

少し前の話ですが、ウィキリークスが「アメリカが日本政府や日本企業を盗聴していた」と暴露しましたよね。ウィキリークスが報じた盗聴内容は第1次安倍政権時代のものでしたが、おそらく盗聴は今も続いていることでしょう。

TPP交渉にあたって、アメリカやオーストラリア、カナダ、イギリス、ニュージーランドには、日本政府の戦略、手の内が丸見えだったわけです。つまり、日本は負けゲームをしているのではないでしょうか。この盗聴についても、日本はアメリカが大事なので、遺憾の表し方も、中国漁船が領海侵犯した時の大騒ぎと比べればカワイイもので、日銀幹部の自宅番号までわかっていて盗聴していたというのに、盗聴は困るよね、と発言する程度です。

これに対して日本のメディアも国民も、仕方ないねという態度なのもどうかと思います。ホントにこのままでいいのか?と皆さんに問いかけたいです。

例えば、M&Aの計画をある会社がしていて、相手企業がスパイ活動をして全部話を聞いていたとしたらM&Aは白紙になるに決まっていますよね。信頼関係の面から考えても、同盟国(友達)だったらなんで盗聴しているんでしょうね?日本はアメリカに対してスパイ活動は絶対やれてないし、できるわけないので、一方的にスパイされて、軽い遺憾のコメントを残すのみ。こんな甘さでホントに大事なこと、大胆なことを日本が出来るかというのが、最近一番気になっていることです。