市場はまだまだBullish!

今期のコンセンサス予想、2004年度、全ピークの2006年度に対して、赤字企業を除いたTOPIX全銘柄のバリュエーションを確認すると以下のようになっていました。

2004年度
2006年度
今期
PE
17倍
19倍
15倍
PBR
1.6倍
1.3倍
1.3倍
EV/EBITDA
9倍
10.3倍
10倍弱
ROE
8.0%
9.5%
8.75%

ここで重要なことは、2006年のピークには1ドル115~120円の間のレンジだったということです。このトレンドは2005年からずっと続いていました。さらに世界経済も伸びていて、日本企業の利益がサイクルのピークだったんです。ですからある意味で、今がサイクルのピークかどうかというのが重要なポイントです。そして僕はピークだと思っていません。なぜかというと過熱感があると言われていますが、過熱感が出始めただけだと考えるからです。ヨーロッパは全然だし、中国もそれほど市場が強くないので現状がピークだとは感じません。そうであれば、そもそも利益が拡大したら、バリュエーションも低くなるのでその分、伸び代のバリュエーションがもう少し高くなります。もちろん、日本のガバナンス改革でROEや株主へのリターンを高くしようとか、もともとやらないって言ってた企業まで自社株買いをやり始めたとか。そういう流れを見ると、まー、Bullishですよね。

もし選挙に参加できたとしても参加しなかったかもしれませんが、選挙に参加できない僕も安倍さんを支持しますので、皆さん、ぜひ安倍さんをサポートしましょう!そして、Bullマーケットなので日本株を是非買いましょう!

衆議院解散について思ったこと(後編)

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もう一つのポイントは消費税です。長期的に日本の財政をどうするかは宿命的な問題で、ものすごく大事な課題です。とは言え、1~2年のスパンで消費税を2%上げる、上げないというのは、ほぼどうでもいい話です。つまり、そもそも経済の底上げがないと改革は出来ないと思いますし、改革できなければ未曽有の大危機が訪れます。ですから今回は唯一正しい判断で、2017年まで増税先送りは、その通りだ!と強く同意します。

一方、給与がジワジワ上がっているのも現実だし、労働市場の構造的な問題から生まれている恒常的な給料のアップがあるというのも事実です。つまり、団塊世代が大量に定年退職するので外国人を受け入れない限り、労働人口の年齢構成が急変することはありませんから、人手がますます足りなくなるんです。人手が足りなくなると給与が上がります。給与が上がって税金が上がらない、これはいいことですよね。

結局、去年は株式投資家だけが明るくなったので、今年は逆に誰も明るくならないという変な一年になりました。来年明るくなるのは消費者であって欲しいですよね。素人考えではありますが120円くらいの円安は確実かなという気がしてます。そうなれば、さすがに日本企業の多くも利益が出て、ボーナスがある程度上がって全体的に安定感が出ます。インフレ目標達成のために黒田総裁も必死に動くはずなので、物価が少しずつ上昇し始めたら、皆さんお金を使うでしょうし、経済が非常にノーマルになるかなと。もちろん、量的緩和が手遅れだとか、改革が足りないという批判は全てその通りです。ただ、実際の政治や運用を考えると、もし簡単に出来る改革なら20年前にとっくにやってるはずですよね。政治家の皆さんも、そこまでバカじゃないし、大変だからやり切れていないだけなんです。そういう意味で安倍さんが4年もらって、黒田さんが全面的に支援して、自民党も仕方なく成長路線をサポートする、というのは悪くないんです。そして、法人税減税が確実です。来年、輸出企業には半端じゃない利益が出るので、たとえ法人税を減らしても、税収が余るくらいの話になるはずです。

また、実は消費増税を先延ばしすることで社会保障枠に対する考え方も2年くらいじっくり国として考える時間が出来ます。そもそも、今のままだと持続不可能だから、定年年齢の引き上げと後期高齢者医療費の負担を増やすことが出来れば、ある程度財政上のプラスになるので、どう見ても悪いことなし!というのが今回の感想です。

衆議院解散について思ったこと(前編)

久々のブログ更新ですが、まず、安倍首相におめでとう!といいたいです。

自分で消費税を上げたのに、見事に民主党のせいにしましたね。先日テレビで安倍さんが話をしているのを見ていて笑ってしまいました。きっと民主党のせいにするだろう、と思っていましたが、あれほどはっきり言うとは…明らかに選挙を意識してるんでしょうね。

さて、今回起きていることを僕は不思議なほどポジティブに見ています。前回の消費増税は大間違いでしたが彼なりに何か理由があって増税に踏み切ったのでしょう。安倍さんはもちろんバカではないし、周りに経済のことをよくわかっている知識人が何人かいますからね。あのとき消費税を上げたのはすごくリスクだったし。さすがに日本国民はデフレマインドで少しでも税金が上がったらその分買い物を控えました。また、円安ではあるものの、日本企業はそもそも国内向けについては慎重です。また海外向けについても、海外生産のためにはまず設備投資が必要なので、すぐには伸びませんし。

今回の衆議院解散にあたり、アベノミクスの評価は…という話が出ていますが、さすがにこれは違うだろう!と思いました。日本の官僚を本当の意味で動かすというのは、非常に難しいことなんです。安倍さんにも敵がいるでしょうし。電車に乗って目的地の経済成長まで楽に到着できるというものじゃなく、どちらかと言えばジャングルの中で戦いながら突き進んでいくという感じです。その中で僕が一番心配していたのは2016年の選挙でした。なぜかというとその選挙を意識し始めるのが2015年で、今回の安倍内閣の2閣僚同時辞任も誰かが裏で糸を引いていたような匂いがなんとなくします。そうだとすれば、もう戦いは始まったのかなと思っていました。そのまま行ってしまうと2015年は完全に総選挙を意識した党内の争いになり、アベノミクスをダメにして、安倍さんを倒すというのが政治家として結構あり得る話かなと思っていました。

ですので、このタイミングで解散総選挙をやることがコンセンサスというか、そもそも他に誰も代わりをやれる人はいませんからね。公明党もこれまで通りなので、自民党が勝つことでしょう。そうすると、安倍首相は時間をあと4年もらえるということになります。これが一つのポイントです。

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