第2次金融商品市場指令(MiFIDⅡ)の風

レストランのメニューや海外旅行のツアーなどには、パッケージ料金、セット料金みたいなものがあります。レストランで言うと、ランチセットで、ご飯、スープ、デザートの個別の価格は明示されていません。スープはいらないから、メインは半分でいいから、その分、安くしてくれる、ということがないのがセット料金と理解しています。

世間一般的にはあまり知られていない動きかも知れませんが、株式取引関係者の間で今、非常に注目されている、MiFIDⅡの施行という、2018年1月3日からEU加盟国で施行されるイベントがあります。この指令の詳細説明は、専門家の文献のほうが正確でしょうから割愛しますが、当指令により、証券会社のサービスに大きな変化が起こると想定されています。従来の慣例であったリサーチ費用を取引執行手数料に含めて請求することを禁止するアンバンドリング(分離明確化)の導入がなされます。セット料金が分解され、顧客は欲しいものだけを有料で注文できることになります。

新規制下では、運用機関はリサーチを有料で購入しなくてはならない。運用機関は支払いの対価に厳しい目を向けるので、リサーチの質と価格が競争環境下になるものと思われる。有力なリサーチ情報を提供する証券会社、運用機関で強化されたインハウスリサーチ、の方たちの高度なリサーチとシェアードリサーチも並んで発展していくよう、体制を強化しております。引き続きよろしくお願い申し上げます。