ROE6%以下の良銘柄を発掘!

最近市場を見て気になることが一つあります。日本企業が本格的に変わっているのか、カタチだけで変化を見せかけているか。そればっかりは分かりませんが、バランスシートの強い、キャッシュリッチな会社が自社株買いや株主配当を大幅に増額する時の市場の反応が新鮮です。市場が大きな拍手をしているような感じに見えます。もちろん先頭を走っているといえるのは、稼いだ利益を全て株主に分配するといったアマダさん。

市場がこんな状態であれば、僕からシンプルなスクリーニングを提案します。まず日本の上場企業から銀行を除いて、JPX400に入るような大企業に絞るため時価総額を500億円以上、さらにROEが低い銘柄に絞り、ROE6%以下。そして、有利子負債がなく、一応利益が出ている、さらにEV/EBITDAが6倍以下の銘柄でスクリーニングをし、以下の10社を選びました!

パナソニック(6752)、ニコン(7731)、ベネッセホールディングス(9783)、イビデン(4062)、セイノーホールディングス(9076)、東亞合成(4045)、富士機械製造(6134)、タカタ(7312)、ジョイフル本田(3191)、ドトール(3087)。この中で少し気になるのはタカタさんだけで、他の企業は、堅調な業績をあげています。それぞれの株価は結構上がっているように見えますが実はまだ割安なんです。今回のスクリーニングのポイントは、時価総額500億円以上、ROEが大体4.5~6%、EV/EBITDAが6倍を切るため、割安で買収しても楽しい、つまりあまり深く考えなくてもアンダーバリューな銘柄ですね。これらの銘柄がアマダさんのような動き出すのは時間の問題でしょうか?

エストニア国民IDカードの使用感

今回はエストニアの国民IDカードの話です。エストニアに帰国したとき、改めてシンプルでやりやすい制度だなぁ、と思いました。

電子式の国民IDカードの普及率はエストニアが世界一で、8割を超えています。このカードは生年月日などの基本的な個人情報を自己管理できるアイテムなのです。

実は、エストニアで販売されているパソコンにはカードリーダーがセットになっているんです。
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そのため、自分のIDカードとソフトさえあれば銀行取引などを自宅PC、またはスマホのようなモバイルを使うことで簡単にできます。選挙に参加することも、会社を立ち上げることもATMからお金を引き出すのと同じぐらい手軽にできるのです。

ここで疑問に思ったのが、どうしてこのシステムをそのまま日本で使うことができないのか、ということです。日本でマイナンバー制度を導入するためにはかなりの投資が必要になります。それなのに情報を一括で管理する仕組みを使わないのは、一気に何十万人という雇用がなくなってしまうからなのかな、と思います。エストニアのシステムを導入すれば、今は複雑なシステムもシンプルになり、税金や手続きにかかる時間も節約されるのだから、いいこと尽くしのはずです。やっぱり、自分の情報に手軽にアクセスできる世界のほうがいいな、と感じました。

ニュースから感じたロシア情勢③

ロシアのテレビを見ていたら、ロシアはやっぱり支配者の下でまとめられている国だなぁ、と改めて感じました。ヒトラーのときのドイツとはちょっと違うのですけど、ナショナリズムの温度が明らかに高くなってきているということで、少し異様な感じです。基本的に自国が辛いんだけど、自国の政府がダメだからどうにかしようと抵抗するのがそもそも難しいんです。よく言われているのは、中国の反日デモと同じ現象で、自国の政府に対して不満をぶつけるより、日本に対してそうする方がすごくやりやすいんですよ。政府も他国批判をサポートしているので、フラストレーションやストレスの発散になるところが似ているのではないかなと。だからロシアでもますます対外批判が強くなっているかなと思うんです。

ウクライナ側も無邪気な天使ではなく、そもそも自国内で飛行機を飛ばし一般市民まで爆弾を投下したりしています。このやり方がかなり酷いのでロシアからすると、ロシア語を話す人達を守りたい気持ちがあるというか、同じ民族が差別されているように見えるんでしょうね。だから解決の出口がないなぁという感じです。

ウクライナ情勢のリスクは残っているものの、意外と今は地域が限定されていて、恐らく現状以上にも以下にもならないでしょう。もし本格的に戦争をすればロシアは勝てますが、明らかに今の原油価格と全体の状態からすると戦争をするメリットがロシアにないんですよ。戦争をすれば、ロシアがイランのような扱いになるので望ましい方法ではなく、ウクライナを不安定な状態のままにさせておきながら破綻を待つのがベストな戦略だろうと考えているのかもしれません。そうであれば、1~2年は膠着状態が続くんじゃないかなというのが僕の印象です。

ニュースから感じたロシア情勢②

正月、ロシアのテレビを見ていました。ヨーロッパやアメリカとの経済パフォーマンスを比較してみるとロシアは大変だなぁ、ということがわかります。そしてまたウクライナの経済も大変だということも。ロシアに対する依存度が高いし、今回の紛争が始まってからかなり悪くなっています。データを出したらすぐにわかると思いますが、経済も財政もかなり厳しいようです。

ロシアとしては自国の状況が厳しいので、ならばウクライナをもっと厳しい状況に追い込み、ウクライナの国民に「やっぱり新しい政府は無力で何もできない、失敗している」と思わせようというのが狙いなのかもしれません。そして一方、ヨーロッパやアメリカがウクライナに経済支援をすることはないでしょう。ウクライナは底なし沼みたいなもので、たぶん何兆円と経済支援したとしても何の効果も期待できないでしょう。そんな状態ゆえに、みんなが「ウクライナ、頑張れ!」と口では言ってはいるものの、お金はまず入らないだろうと思います。

さらに言えば、ウクライナは元々、ガバナンスの精神が欠けていることで悪名高い国なので、国際社会から経済援助などがあったとしても、そのお金がきちんと経済成長に使われるかは大きな疑問です。援助がなされてもロシアが懸命に邪魔をしますので、実際に色々なことを望ましい方向に実現するのは難しいんです。ということを考えると、これをゲームとして見れば、ロシアは全然負けていません。ルーブル安による影響で輸入品が非常に高くなり、インフレになっていますが、政治的に安定していれば、国民としては、それほど悪い情勢だとは感じていないと思われます。

「ロシアが大変なことになっているのはアメリカのせいなんだよ」というのがロシア政府のプロパガンダです。今、ロシアではテレビや新聞など主要なメディアは完全に政府にコントロールされています。若者はインターネットを使って様々な情報を手に入れてはいますが、一般大衆は基本的にテレビの情報に影響されますので、プーチンの支持率は上がる一方です。経済的にはかなり苦しくなってきていますが政治が安定していればとりわけ大きな問題として取り上げられることはないでしょう。そうは言っても、もし原油価格が30ドル/バレル以下の状態が3年以上続いたりすれば、ロシア経済はメディアが取り上げざるを得ないような相当まずい状況になってしまうのではないか、と思います。