コンビニとアルコール飲料の購入

今年も年の瀬となり、皆様もアルコールを摂取する機会が多かったことかと思います。今回はアルコール飲料の購入の際に思ったことをお話しします。

大手コンビニ3社(ファミリーマート、ローソン、セブンイレブン)とも、未成年者へのアルコール販売防止策として、販売時のシステムを一応導入していますよね。このシステムでは、客がアルコール飲料を購入する際、購入者は画面上で購入可能な年齢であることを申告する確認ボタンを押すことを要求される場合があります。

3社の違いは以下の通りです。
ファミリーマートでは、「年齢確認が出来る証明書を掲示する必要がある可能性がある」という文章が画面表示されるだけで、ボタンを押す必要はありません。
一方、ローソンとセブンイレブンでは、誰かしらが確認ボタンを押す必要があります。ローソンはたいていの場合、店員さんが押してくれます。ところが、セブンイレブンの場合は店員が押すことはなく、購入者自身が押さなければならないようです。

外国人インバウンド観光が増える状況ではあっても、アルコール飲料販売に関する注意書きは日本語のみで書いてあり、口頭でも日本語で、「押してください」と伝えています。外国人観光客がよくわからないような顔をしたら「Please push this.」と言ったりしているのを見たことがあります。観光客からしてみれば意味が全然わからないのに、どうして押せと言っているのだろう、と不可解に思うことでしょう。

そんな状況のなか、最近、ローソンで僕がアルコールを買おうとしたとき、店員さんが確認ボタンを押してくれないことがあって、軽く言い合いになりました。「そもそも僕が未成年に見えるの?」と年齢40歳前後で身長190センチ近い僕が言うと、「いや、見えません」とすぐに回答が返ってきましたが、「それじゃ、なんで押さなきゃいけないの?」と聞けば、「みんな自分で押しているから…」と返される始末でした。

日本ではルールをつくるのは、細かいですが、ルールの運用が画一的で、何のためにルールを作ったのかが適用時に配慮されていない感じのするときがあります。坊主頭の人がプールで水泳をするときにも、ルールだからと水泳帽を着用させることが当然のようにある、という話になります。コンビニで誰が見ても未成年ではない人に、成年確認ボタンをわざわざ押させるのは、馬鹿げているんじゃないかな。でもみんな仕方ないから押すんですよね。

このボタンを押すカロリー消費量を考えると、一日に何百万回も実施されているとすれば、この動きのために日本中で消費されているカロリーだけで新幹線を動かせるくらいになるんじゃないでしょうか?日本全体のシステム構築コストも結構かかったことでしょうにね。

この確認ボタンを押す作業は、店員さんとトラブルになる可能性があるし、外国人観光客が購入する際のことばの問題も前述のとおりなので、現在のやり方を変更した方がいいんじゃないかなと思います。決して、自分がローソンで不愉快な思いをした腹いせで言っているわけではありません。ひとつの問題提起です。

ただ、未成年へのアルコール販売は店側に罰則がありますから、自衛手段としてシステムが設けられたのだろう、仕方がないな、ということは、成年の僕には理解できます。この程度のことでイライラしないように、と思いつつ、こんな面倒な手続きを毎回するんだから、もう少し余分に買っておこうか、とついつい買いすぎてしまわないためにも、気持ちを穏やかにしているほうがよいでしょうね。

認知症患者と運転免許について

少し前ですが、認知症患者による交通事故がまた起きました。これは高齢化社会というだけが原因で起きている問題ではないと思います。

現在の制度では、免許証の更新期間が満了する日の年齢が70歳以上で免許の更新を行う方は、高齢者講習を受けます。さらに75歳以上の方は、講習の前に認知機能についての講習予備検査があります。しかし、この検査の結果如何に関わらず、免許証は更新されるということです。安全第一の日本がなぜこんな不可解なことをしてしまうのでしょうか。

実はこれ、地方の公共交通網の脆弱さが原因かと思います。つまり、地方在住の高齢者にとって、自分で運転する自家用車が生活の「足」となっています。こんな状態なので、高速道路を逆走したり、アクセル、ブレーキを踏み間違えたりして、他人の命を危険にさらす認知症患者でも、生活のために自動車を運転しているのです。

車道と歩道の区別もできない人の免許を更新し、1トン超の鉄器を与え、他人の命を奪うリスクを高めてもいいのか?というのが大きな疑問です。高齢者も視聴しているから、テレビ各局の報道もすごく遠慮がちで「地方にいる高齢者の生活の足を奪うことができないから、あなたの家族が犠牲になりました」と遺族に言うことは絶対にないでしょう。

2年くらい前にも同じような事故で奪われた命があり、その時も報道がありましたが、状況は全く変わっていません。政府が税金を使いたくないからでしょう。

以前、ラトビア国内をドライブしていたとき、森の中にまでバス停があったことに驚きました。一日一本程度の運行であれば、それほどコストがかからないでしょうが、日本では地方交通網の整備は自治体負担となるため、今のところ認知症高齢者の免許を更新するという不思議な世界になっているんじゃないでしょうか。

認知症の怖いところは自覚がないところです。高齢者講習や講習予備検査は、認知症患者に自覚してもらい、自ら運転免許を返上してもらうためにあると思いますが、生活の「足」がなければ運転を辞める人はでないでしょうね。