足もとの株式相場予想

現在の株式相場ですが、このところのしっかりした状態は3カ月も持たないんじゃないかな、という気がします。12月から5月にかけて、例年によくある上昇相場が今年はなかったゆえの、遅れ気味の4月~5月にかけての相場上昇、というところかと思っています。

前のブログにも書きましたが、それぞれの国で多少のバラつきはあるものの、結局はグローバルエコノミーなので、一つのサイクルで見た場合、つまるところ株式市場のリターンはどこも同じで、似たようなチャートになります。

現状では、どちらかというと、少しドル安、かつアメリカ経済が堅調だという分だけ、少しだけアメリカがアウトパフォームする可能性はあります。

これに対して、現状ではギャップが大きくなっています。このギャップは、もちろん為替と言えますが同通貨に変換したチャートで見てもまだ開きがあります。この開きは、二つの動きでしか収束されません。

アメリカ市場が下落して調整する、あるいは、早くから下落していた日本市場がアメリカ市場にキャッチアップしていく、のどちらかです。

僕の予想としては、どちらかといえば、日本が何%かキャッチアップして、あとは為替次第だろう、と思っています。マイナス金利宣言がやっぱり期待外れだったことを踏まえて、政府が今の時点でアグレッシブに為替調整に出るかどうかは微妙ですが、ただ、日本もアメリカも通貨戦争はしたくないと考えているので、介入せずになんとか110円/ドルくらいのレベルで落ち着かせることになるんじゃないかと思います。日本政府は、105円/ドルまでいってしまえば介入してくるだろうと思います。そうなれば輸出系企業が強いでしょうね。

GW明けまではどちらかというとアップサイドリスクかなと思っていますが、業績予想が出始めるとネガティブサプライズが多くなりそうです。

短期的な相場予想として5月中旬までは上がるものの、その後は上にはいかないんじゃないかと思います。以上、オレグ総合研究所の予測でした。

TPXvsSPX

日本の経済政策は諦めかな

先日の安倍首相の記者会見で経済政策をやります、ということを言っていました。ただ、よく聞いてみると、公共事業はいつも通りの様子。道路、橋、港をキレイにすることは素晴らしいことだとは思いますが、それ以外の主な政策が何かというと、笑ってしまいます。

その一、国民に現金支給
その二、国民に現金支給
その三、国民に現金支給

これを選挙前に行います。もちろん野党には同じ事ができない芸当です。納税者のお金を使い、ほぼ現金で配って支持率を維持する、という考えが透けて見えます。

少し風邪気味ですので、ひょっとしたら僕の分析力が落ちている可能性もありますが、現金のバラマキ以外に何も見えないんです。

まさかと思ったのは、プレミアム商品券です。以前、エコカー減税で、国内の自動車市場を壊したじゃないですか。その経験則に鑑み、プレミアム商品券の実施で何が起きるかというと、今買わないと割引にならないので、みんなが欲しいものを買います。当然、高額商品を中心に消費が盛り上がりますが、来年、再来年はどうなるんでしょう。今買うべきだから買うという訳ではなく、前倒しの消費なので、消費サイクルを狂わすことになり、次の年は消費が落ち込むことになるでしょう。そんな中で消費増税を行うらしいですが、消費が落ち込むのに増税を行えば、どうなるかは目に見えていますよね。

消費税率を上げないと財政問題の解決が不可能だということは、みんなわかっていることです。ただここでは、増税を後倒しするのが正しいように思います。財政政策としてやらなければいけないのは確かなんですが、全ての政策を中途半端にやるのは、中途半端に抗生物質を飲むのと同じような感じです。

本来ならウイルスの強さと同じ分だけ薬を飲まないといけませんが、1日だけ摂って2~3日は何も飲まずに、その後また抗生物質を摂っても、ウイルスが強くなるだけで、効かないんですよね。

日銀の方は背水の陣でベストをつくし、金融政策を精一杯やっているというのに、政府の財政政策はもう諦めなのかな、という感じにしか見えないです。