日本の少子化問題の解決策

中国が労働人口の減少や高齢化による経済の失速を懸念して、一人っ子政策の廃止に踏み切りました。僕には3人の子供がいて、もうすぐ4人目が生まれます。手当てが少しもらえるらしいですが、保育園コストを少し負担してもらうにすぎないレベルです。子育て支援策としては物足りなく感じています。

ここで僕の考える少子化問題の解決策を提案します。子育てが好き、かつ世帯収入が多い家庭に、もっとインセンティブを付けるのです。日本では一般扶養控除38万円、特定扶養控除63万円があります。子供2人目まではこのままでいいと思います。ただし、人口を増やすために、3人目からは控除額を300万円にします。子供を3人もつくる世帯は少ないので、国家予算への影響はほとんどないでしょう。教育資金の贈与非課税という制度もすでにあるので、効果予測も比較的簡単ではないかと思います。

子育てには時間も使うし、面倒なことも多いですが、それでも子育てが好きな人に、手当をばらまく代わりに、税金を減額するんです。1,000万円以上年収がある世帯の税金を減額することで、消費が刺激され少子化の解決策になるかなと考えます。高所得者は累進課税で税金を沢山払っていますので、子育てに対する所得控除のインセンティブは大きいと思います。

この策により、子供への教育投資が増えそうな気がします。そもそも高所得者は比較的いい大学を卒業していて、教育熱が高いながらも、一番子供をつくらない層でもあります。この層の中にはそもそも子供好きな人もいますが、同じ層の世帯と比較して生活の水準を下げたくないという気持ちも働くでしょう。そうすると1人または2人の子供に過剰投資し、甘やかしたりして、不幸にするケースも出てきます。一方で子供が3~4人いれば楽しいですけど、すごくお金がかかるので生活にゆとりがなくなってきます。子供の習い事で、毎月お金がどんどん消えていくんです。そんな世帯には大きな控除が非常にありがたいことと思います。

子どもが、生きた英語を使えるようになったり、高度専門職に就ける能力を教育投資で身に着けられれば、日本経済成長のためにもなるんです。その投資は全部消費に回るので大きな経済効果も期待できるでしょう。一世帯当たりの子供の数が増えれば、7人乗りとか大きな車も売れるようになるでしょうし、遊びや習いごと関連の消費も増えると思います。

これが僕の考える少子化問題の解決策です。マスコミに送りたいくらいですね(笑)

日本人と習い事

自分には小学生の娘がいますが、結構幼いころからから水泳やバレエを習わせています。東京でスクールなどに通っているわけですが、子どもに対する習い事への親の注力の具合について、日本と欧州諸国の人々では、ずいぶん違うように思います。

私の母国、東欧エストニアの水泳連盟は、国際レベルの試合に向けた練習回数の目安として、中学生未満では週3回まで、中学生では週4回、高校生でも週5回までとしています。一方、日本では本人が頑張れるのであれば、7歳から週8回の練習が可能ですし、他のスポーツ種目においても同じく練習漬けにできるそうです。野球など、日本が世界の上位に入るレベルのスポーツともなると、子どものうちから1日2回の練習も当たり前にこなしています。国際大会に出るクラスのスポーツ選手になるには、天賦の才能がなければ、いかに練習漬けにしようとも達成困難ではないかと思いますが、練習すれば誰でも一流選手になれるかのごとく、多くの子どもたちが猛練習を課せられている、というか打ち込んでいます。小学生くらいの子どもは、自分の意志で練習しているのかどうか疑問に思うときもあります。

習い事だけでなく、日本では、学校が終わると塾へ行く子をたくさん見ます。結構、お疲れな子どもが多いんじゃないかな。それでも残念ながら、アジアの中で、数学の学力では負けているとか言われており、少し気の毒かなと思います。他の国の子どもがもっとがんばっているのか、何か効率が違うのかはわかりません。欧州では学校が終わってからは、レクリエーションとしてスポーツをやるくらいで、塾に行くという話を聞いたことは、あまりありません。ところで、東京で育てているうちの娘は学校が終わってから、水泳またはバレエに行き、宿題をしてから寝ています。エストニアで育った自分は、子どもの頃は、とにかく遊んでばかりでした。遊んでばかりで塾に行かなかったゆえに、社会人になってから何かハンデを感じたということは、ほとんどありません。では、どうして自分の娘にそんなに多く習わせているのだろうか。それは東京の空気によるものなのだろうか。

なぜ、自分も含めて、親は子どもにタイトなスケジュールで習い事をさせているのか、日本の空気に流されているのか、欧州の子どもは、なぜそれほどまでにはしていないのか。自分の子ども時代を思い出しても、欧州の子育てを見ても、やらなかったからといって大人になって何か不自由を感じるとは思えないにもかかわらず、自分の子どもには時間いっぱい習い事をさせてしまっている。世界のどこに住んでいても、親が子どもに期待すること、幸せになってほしい、という気持ちは変わらないでしょうから、さまざまな方向に伸びてほしいという期待分野のうちで、実現させやすい環境にあるものを選択して育成する、バイアスがかかってしまうのでしょう。日本では、子どもが遊んでばかりいられる環境に乏しく、習い事をたくさんする環境が相対的に充実しているがゆえの、親の選択行動が生じているのかも知れません。

とはいえ、子どもが将来どういう人物に育ち、どんな人生を送るのが、親も子も幸せなのか、それは、社会的に成功すれば幸せになることが確実というものでもないでしょう。難しい問題ですから、どこの国、地域で育てようと、無理のない範囲で、充実した子ども時代を過ごしてくれればいいのかな、と思っています。

郵政3社の上場と株式市場

11月4日に、郵政3社が上場します。ところが、株式市場が活発でない、非常に微妙なタイミングとなりそうです。これらの銘柄は、日経平均株価などの指数に入るゆえにファンドが買いますので、IPOは成功することになるでしょう。最初は個人に1兆円くらい販売するでしょうが、この額は決して小さくありません。多くの個人投資家の皆さんは既にNISAの100万円枠をほぼ使い切っている可能性がありますし、NISA枠に入っている資金は流動性が低いと思います。すると1兆円規模のIPOでも、それほど株価は上がらないのではないかなと考えてしまいます。証券会社も個人に勧めるし、ファンドも買うので、上場後はしばらく上がるかもしれませんが。

しかし、株式市場のサイクルをみても、上場のタイミングにしても相場には逆効果になる可能性があります。郵政3社の株を買って、少し株価が上がって、投資家の皆が少し気持ちが良くなったところで、2016年春くらいからは株価が上がらないような気もします。そうなれば、NISA枠の資金も蓋を開けてみたら、大して儲かっておらず、株式投資へのマインドが弱くなるのではないかと思います。

2016年には参議院選挙があります。懸念材料が安保法案関連だけであれば、安倍政権は負けないかと思ったのですが、郵政3社の上場が株式市場にあまりいい影響を与えず、上げ相場にならず、経済成長が鈍化する場合、危うくなる可能性もあります。経済政策が中途半端な結果になると株式市場に悪い影響を及ぼし始めます。相場のピークはいつ頃かというと、2016年春の3月~4月辺りでしょうか。次のブルマーケットは、東京オリンピック後になってしまうかもしれません。