衆議院解散について思ったこと(後編)

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もう一つのポイントは消費税です。長期的に日本の財政をどうするかは宿命的な問題で、ものすごく大事な課題です。とは言え、1~2年のスパンで消費税を2%上げる、上げないというのは、ほぼどうでもいい話です。つまり、そもそも経済の底上げがないと改革は出来ないと思いますし、改革できなければ未曽有の大危機が訪れます。ですから今回は唯一正しい判断で、2017年まで増税先送りは、その通りだ!と強く同意します。

一方、給与がジワジワ上がっているのも現実だし、労働市場の構造的な問題から生まれている恒常的な給料のアップがあるというのも事実です。つまり、団塊世代が大量に定年退職するので外国人を受け入れない限り、労働人口の年齢構成が急変することはありませんから、人手がますます足りなくなるんです。人手が足りなくなると給与が上がります。給与が上がって税金が上がらない、これはいいことですよね。

結局、去年は株式投資家だけが明るくなったので、今年は逆に誰も明るくならないという変な一年になりました。来年明るくなるのは消費者であって欲しいですよね。素人考えではありますが120円くらいの円安は確実かなという気がしてます。そうなれば、さすがに日本企業の多くも利益が出て、ボーナスがある程度上がって全体的に安定感が出ます。インフレ目標達成のために黒田総裁も必死に動くはずなので、物価が少しずつ上昇し始めたら、皆さんお金を使うでしょうし、経済が非常にノーマルになるかなと。もちろん、量的緩和が手遅れだとか、改革が足りないという批判は全てその通りです。ただ、実際の政治や運用を考えると、もし簡単に出来る改革なら20年前にとっくにやってるはずですよね。政治家の皆さんも、そこまでバカじゃないし、大変だからやり切れていないだけなんです。そういう意味で安倍さんが4年もらって、黒田さんが全面的に支援して、自民党も仕方なく成長路線をサポートする、というのは悪くないんです。そして、法人税減税が確実です。来年、輸出企業には半端じゃない利益が出るので、たとえ法人税を減らしても、税収が余るくらいの話になるはずです。

また、実は消費増税を先延ばしすることで社会保障枠に対する考え方も2年くらいじっくり国として考える時間が出来ます。そもそも、今のままだと持続不可能だから、定年年齢の引き上げと後期高齢者医療費の負担を増やすことが出来れば、ある程度財政上のプラスになるので、どう見ても悪いことなし!というのが今回の感想です。

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