日本としがらみ~企業編~

先日ある大企業の幹部の方のお話を聞かせてもらったんですよ。中期計画の利益率目標を5%に設定しているとのことでした。さすが大企業だけあって、いろんな仕組みとかの話をきっちりされてて、「ああ、細かいことまでよく努力しているなあ」って思ったんですけど、でも利益率は5%、しかもそれは3カ年計画のゴール。

ちなみにこの会社と同業のベスト企業2社は利益率が倍くらいなんですよね。アメリカの大手だともっと、はるかに高い。その会社の幹部の方は、「利益率が低いのはわかってます、認めます。」っていう態度でしたけど、結局それ以上のコメントはありませんでした。

日本が直面しているジレンマ、アベノミクスもそうなんですけど、「やらなくちゃいけないこと」っていうのがあると思うんですよね。

アメリカの有力企業の利益率がなんで高いのか、というと「儲からないことを切る」からなんですよ。「いらなくなったもの」つまり自社でやってる事業のうち、利益率が低いものを競合相手に売っちゃう!人も含めて!それで、利益率の高い事業は残すんですけど、最終的に、もし全部の事業がうまくいかなければ全部売って会社をやめちゃうんです。

日本の場合、どうしてもこの会社で、この母体でがんばろう!みたいなのがあって、事業を「売ったり買ったり」っていうのがまだ定着してないんですよね。そうすると、どんなに立派な管理体制を作って、いいシステムを入れても、決定打にならないんです。根本的に「悪いものを捨てないか、捨てるのにものすごく時間がかかる」という現状を改めないと、世の中の変化についていけない。

日本企業はまず「しがらみ」を捨てなくちゃいけないと思います。「これは出来ない、これは時間がかかる」なんてのをやめなくちゃ!いろんな意見を全部きいてたら結局コンセンサスを取れずに前に進めないんです。「やらなくちゃいけないこと」をやらないでいると、今はよくても3年後、5年後にまた同じ問題に直面するんで、多分その時に違う経営体制かもしれないですけど、また同じ問題に取り組まなくちゃいけないんですよ。仕組みも全部できてて、ちゃんとやってるのに前に進まない、っていうのはもったいないですよね。

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