いまが北方領土交渉のチャンス!ソリューションあります

僕の故郷エストニア、人口130万人の国なんですが、今回のウクライナと似たやり方でロシア(ソ連)に占領された歴史があります。その時はロシア人を守る、ではなく労働者を守るというテーマでした。共産党がデモなどで騒いでソ連に助けを求め、ソ連軍が来たんです。そういう苦い歴史がありますが、たまたまウクライナの暴動が始まる本当に直前、残っていた諸問題についてすべて条約を締結し、解決したということがあります。

アメリカがそれを許す、許さないという問題はありますが、日本としては西の方でロシアが忙しい時こそロシアと北方領土の問題を解決するのに絶妙な、歴史的なチャンスといえます。

ロシアにとって日本は敵国ではありません。そして日本にとってロシアは敵かどうかわかりませんが、「脅威」としてとらえるのはやはり中国でしょう。ロシアは「西」、つまりヨーロッパで次第に自国のもとの領域を回復すべく攻め、影響を増していくという行為によって、逆に影響力が低下してしまう、という問題があります。そうするとロシアは逆方向、「東」の安定性を目指すのではないか、と思います。だから変な意味でチャンスなのです。

1956年のサンフランシスコ条約で、ロシア(当時ソ連)はサインしていません。しかし当時、日本に北方4島中2島を返還するという話はありました。何が引っかかったのかというと、ソ連がアメリカに腹を立ててサインしなかったということと、日本が、おそらくアメリカの影響もあって2島の返還を拒否して4島を要求したということです。

結局それがずっと続いているわけで、ロシアとしては最終的に4島を返還するというのは「自分が負けた」ということになり、メリットが極めて限られますし、国内的に説明がつきません。今はもう忘れられていますが、実は以前ゴルバチョフが北方領土を返還する、という話になったことがあります。260億ドルという金額の支援を受けることを見返りとした、言ってみれば「売る」という感じでした。その時の情報がロシア国内で漏れて、ゴルバチョフがロシアを売ろうとしているという話になり、すぐ消えました。

何がいまの対立のポイントかというと、ロシアは2島を「あげる」というか「返す」と言うかは見方次第ですが、それに対してなにか「貰う」、であればOK。ロシアには資源も豊富にありますから、日本としても本気でロシアにいろいろと協力していきたいはずです。

原発がいらなくなるくらいのガスがサハリンにあって、それを液体化するのどうのと言っても基本的にロシアにはマーケットがありません。中国には売れますが、おそらく本音ベースでは中国に売りたくないはず。ロシアにとって中国は「力のない時は友」ですが「長期的には敵」じゃないかと思っています。そうすると結局日本にガスを売ることができて、2島をあげるのならそれでいいと思っているでしょう。しかし日本としては4島でないとダメだと宣言「しすぎて」いるので難しい。

ここで僕が考えるひとつのソリューションを挙げます。ロシアは2島を返還、日本はガスを50年間あるいは100年間購入、そして残りの2島については特区を作ります。アベノミクス特区でもいいですが、共同運営で日本でもないロシアでもない特区です。そうするとロシアのものではなくなるので、50年後くらいには日本にこれを移管するのが容易になるはずです。

暗黙の了解でそれをすれば、日本としては2つ以上の島が返ってきます。あるいは条約としては50年後に日本のものになるというふうにすれば、ロシアに膨大なメリットがあるようなら、すぐ「あげた」ということにならないで、国内向けには「2島いらないものをあげたよ」という形になります。

それと同時にいまが絶妙のタイミングというのは、ロシアの国内世論としては、ウクライナを取り戻したら北方領土はどうでもいい、ということになりそうだ、ということです。面白いソリューションじゃないかと思います。

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