ニュースから感じたロシア情勢②

正月、ロシアのテレビを見ていました。ヨーロッパやアメリカとの経済パフォーマンスを比較してみるとロシアは大変だなぁ、ということがわかります。そしてまたウクライナの経済も大変だということも。ロシアに対する依存度が高いし、今回の紛争が始まってからかなり悪くなっています。データを出したらすぐにわかると思いますが、経済も財政もかなり厳しいようです。

ロシアとしては自国の状況が厳しいので、ならばウクライナをもっと厳しい状況に追い込み、ウクライナの国民に「やっぱり新しい政府は無力で何もできない、失敗している」と思わせようというのが狙いなのかもしれません。そして一方、ヨーロッパやアメリカがウクライナに経済支援をすることはないでしょう。ウクライナは底なし沼みたいなもので、たぶん何兆円と経済支援したとしても何の効果も期待できないでしょう。そんな状態ゆえに、みんなが「ウクライナ、頑張れ!」と口では言ってはいるものの、お金はまず入らないだろうと思います。

さらに言えば、ウクライナは元々、ガバナンスの精神が欠けていることで悪名高い国なので、国際社会から経済援助などがあったとしても、そのお金がきちんと経済成長に使われるかは大きな疑問です。援助がなされてもロシアが懸命に邪魔をしますので、実際に色々なことを望ましい方向に実現するのは難しいんです。ということを考えると、これをゲームとして見れば、ロシアは全然負けていません。ルーブル安による影響で輸入品が非常に高くなり、インフレになっていますが、政治的に安定していれば、国民としては、それほど悪い情勢だとは感じていないと思われます。

「ロシアが大変なことになっているのはアメリカのせいなんだよ」というのがロシア政府のプロパガンダです。今、ロシアではテレビや新聞など主要なメディアは完全に政府にコントロールされています。若者はインターネットを使って様々な情報を手に入れてはいますが、一般大衆は基本的にテレビの情報に影響されますので、プーチンの支持率は上がる一方です。経済的にはかなり苦しくなってきていますが政治が安定していればとりわけ大きな問題として取り上げられることはないでしょう。そうは言っても、もし原油価格が30ドル/バレル以下の状態が3年以上続いたりすれば、ロシア経済はメディアが取り上げざるを得ないような相当まずい状況になってしまうのではないか、と思います。

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