今回はエストニアの国民IDカードの話です。エストニアに帰国したとき、改めてシンプルでやりやすい制度だなぁ、と思いました。
電子式の国民IDカードの普及率はエストニアが世界一で、8割を超えています。このカードは生年月日などの基本的な個人情報を自己管理できるアイテムなのです。
実は、エストニアで販売されているパソコンにはカードリーダーがセットになっているんです。
そのため、自分のIDカードとソフトさえあれば銀行取引などを自宅PC、またはスマホのようなモバイルを使うことで簡単にできます。選挙に参加することも、会社を立ち上げることもATMからお金を引き出すのと同じぐらい手軽にできるのです。
ここで疑問に思ったのが、どうしてこのシステムをそのまま日本で使うことができないのか、ということです。日本でマイナンバー制度を導入するためにはかなりの投資が必要になります。それなのに情報を一括で管理する仕組みを使わないのは、一気に何十万人という雇用がなくなってしまうからなのかな、と思います。エストニアのシステムを導入すれば、今は複雑なシステムもシンプルになり、税金や手続きにかかる時間も節約されるのだから、いいこと尽くしのはずです。やっぱり、自分の情報に手軽にアクセスできる世界のほうがいいな、と感じました。