渋谷のハロウィン

アパレル企業の決算説明会や取材に行くと、洋服が売れない、という話を最近よく聞きます。可処分所得にゆとりがあるにもかかわらず、洋服が売れてない、ということであれば、買った服を着る機会、見られる機会があまりない、ということではないかな、と思っていました。
ハロウィン直前の週末に、渋谷でコスプレを見せ合う光景が広がっていた、という報道がありました。集団行動によるネガティブな面が気になり、苦々しく思うこともあるでしょうが、経済的にはそのイベントに起因して、一定の需要が発生しています。たった数日しか使わない衣装や雑貨にコストをかけている人たちが、相当数で発生しています。ここでは、買った洋服を着る機会があると、新たに消費が生まれるという事象に注目したい。先日、あるテレビ番組で、年金受給世代の男性に取材していましたが、ここ10年以上、洋服を買ったことがない、という回答者が多く放映されていました。真偽はともかく、新たに洋服を買う意欲がないという人たちは、結構多いのではないかな、と思います。
センスのいい高品質の服を製造販売する、ということは、たくさんの企業が努力しています。それでも需要がなくて、洋服が売れない。有効需要が創出されるような外部環境の変化、例えば、クールビズのようなビジネスシーンの変化、ハロウィンのようなイベントの増加、などが現状を打破するきっかけになるのかな、と渋谷の群衆を見て、ふと思いました。

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