ピークを越えた後は?

株式市場にもサイクル(循環)があるので、今の相場の勢いを見ると今回のサイクルの頂点がもう見えたような気がします。つまりピークを越えたらどうなるかっていうのを考えなきゃいけない時間が近づいて来ています。

もちろん、短期的にはまず「Sell in May」(5月に売れ)という現象が起きるかどうか気になります。今の元気な相場だとこのまま夏のラリーが訪れて、5月に売った人が馬鹿みたいことにもなり得ます…

関係ない話ですが、先日A社の個人株主から聞いて驚いた話がありました。この方は2001年からA社株をIPOから持っていて、「めちゃくちゃ儲けさせてくれた。すごく良い株だ」とか話していました。ただ、よく聞いてみると、時価総額の概念がわかっていないようでした。株数だけで見ていて、株式分割されると元々2万株例えば持っていたとして、今4万株持っているのが嬉しいと。それで半分売っても、元々持っていた2万株がそのまま残っている、これが嬉しいみたいな感じです。A社の株価を確認したところ、確かに上がっているようですが、IPOから買っていたら14年間かけて倍になっています。興奮するほどのリターンじゃないでしょう。株数が増えることにあんなに喜ぶる人がいるんだなあと思いました。

だから分割で株価が上がるか…と思うと、市場参加者はみんな合理的な行動しているでもないし、場合によって半合理的な行動もとっていません。このため短期的な動きを占うにはかなりの無理がありますよね。つまり、上がる時も下がる時も、必ずしも論理的な理由で市場が動くと考えるのは間違いです。

こんなことを考えていると、今話題になっているガバナンス改善や株主還元を思い出しました。もちろん、大変良いことです。ただ、株価がボロボロに下がり始めたら、もうガバナンスとかどうでもいいという話になります。配当についても無限に上げられないですし、いずれ景気が悪化し始めたら、配当原資も少なくなるし、評価も下がりかねないでしょう。今話題の自社株買いも、株価が高いところで買うなんてそもそもベストなのでしょうか。もちろん、自社株買いについては、アメリカでも言えることで、投資家からプレッシャーがあるから経営陣が株価を上げたいんです。周りの企業みんなが同じことをやると、結局自分もやらないと株価上がらないみたいな話になっています。日本の場合、アメリカみたいにストックオプションで儲けようとする経営者はほとんどいませんが、横並び現象でみんながやっているから自分もやらなきゃ、ということが起きます。面白いですね。

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