先日友人とランチをした時に、「日本人はいいものを着なくなった」という話になりました。最近は、洋服が使い捨てという文化になってしまっています。女性でも男性でも質がまあまあでも安い、というものを選ぶという流れ。そこからまさにデフレを感じます。結局、「この安価で出来る最高のもの」を提供できる企業が勝ちます。しまむらやファーストリテイリングは代表的な例です。
我が家は、まだ着られるものを捨てるのがなんとなく苦手な家族です。そうすると、意外と溜まります。ここは自分もかなりデフレ型の消費者だと反省しています。これで、着られるのに着ないという現象が起きてしまいます。どういうことでしょうか?
自分が持っている洋服の中は、高いものも少しありますが、やっぱりユニクロさんなどで買い求めたものもかなりあります。やっぱり、(当たり前ですが)安価なものと高価なものを比較してみると、安価なものはすぐに微妙にぼろくなったり、(安っぽく)色落ちしたりしますね。逆に、高価なものは多少古くても、ちゃんとしたモノのままです。
Value For Moneyだったはずだけど、なんかだめ・・・というのはユニクロだけではないです。ファストファッションの先駆者であるGAP系列のバナナ・リパブリックあたりでも、一回二回洗濯しますと、近所(あの渋いと言われる下町・・・)には行けるけれど、ナントカヒルズやオシャレ系レストランに来ていくのはちょっと微妙!?という気がします。ダメというわけでもないですが、なんかちょっと違いますね。
「結局のところ価値とは何か」ということを考えてしまいます。もともと日本は着物を何世代にもわたって使い、着たあとも綺麗にたたんで箱に入れて保管する、という伝統がありましたが、今は使い捨てのファッション、ファストファッションが主流です。こういうのは5メートル先からでも安物だということがわかります。コーディネーションとか流行っているスタイルとか、理解はできるのですが、結局、究極的には美しくない。
「ずっと使えるなら高くてもいい」という考え方が世の中に増えていかなくてはならないし、こんな考え方がデフレ脱却の新しい顔になればいいな、と思います。第一歩として、ファストファッションの様な安価なものだけでなく、目的と場面によって高価なものも取り入れてみませんか?日本は多分変われるし、変わるんじゃないか、時代の流れが変化するんじゃないかな、と最近思い始めたのですが、どうでしょうか?
余談ですが、例の同じ友人はクールビズに対してかなりネガティブ。いや、激怒しています。サラリーマンの皆さんは結局、スーツ用の安っぽい白いシャツをネクタイ無しで着ているのが「カッコ悪すぎる!」と。Coolは良いけど、Cool(涼しい)かどうか分からないけど、きっとCool(カッコいい)ではありません。カジュアルで行くなら、米国流のカーキ(チノパンツ)とポロシャツのビジネスカジュアルで行くべきだし、イギリス流ならやっぱりスーツか、少なくともノーネクタイを前提にデザインされたかっこいいシャツとかにすべきでしょう。
東京も「かっこいい街」になろうとしている中で、それでもファッションの文化っていうのは原宿から離れれば離れるほど遅れているな、というのが僕の気になるところです。