卵のケースが日本家屋を救う!

僕は92年に初めて日本に来たんですが、いままでに「日本語お上手ですね」って2万回くらい言われています。そしてその後に「お国はどちらですか?」と聞かれるので、エストニアがどこにあるのかを説明すると「寒いですね」と言われるんですよ。ほぼ毎回このパターンです!

僕からみた「ここがヘンだよニッポン」のトップグループに位置するのが、「日本の家って、冬はめちゃくちゃ寒い!」ということです。日本では北海道以外の地域で壁に断熱材が使われていないそうです。エストニアも含めヨーロッパの家は暖かいんです。家の中で普通にTシャツだけで歩くのが当たり前すぎるくらい。暖かい部屋着みたいなものもあまり売ってないと思います。

それで、折りにふれ「なぜ日本の家って寒いんですか?」って質問してみるんですが、「いやいやいや、これは日本の文化だ」という感じの答えが返ってきます。なんで寒いのが文化なんでしょう?住宅メーカーに質問してみたんですが、そこで言われたのは「コストが掛かります。みんな寒いのが当たり前(日本の文化ですね!)だと思っていて、それを求めていないのにコストアップしても売れなくなるだけなんでやりません。」という回答でした。この説明で半分納得、でも半分不満です。ちなみに寒い家というのは、夏はめちゃくちゃ暑いんですね。基本的に断熱していませんから。

先日ある住宅メーカーの社長に会いました。これから大きくなろうとしている中堅クラスの会社です。それで社長に「うちは全部壁に断熱材使っています」と言われ、感動してしまいました。最近は一部のメーカー、特に木造の注文住宅を作っているところに増えているようです。実は断熱材を壁に使うと「腐る」という、湿気の多い日本特有の問題があるんです。だから日本の家って伝統的に非常に風通しがいいんです。腐らないために、湿気にやられないために。

ではなぜその会社さんが断熱材を使うことができるのかというと、卵のケースのような形状のもの、通気スペーサーを断熱材と一緒に貼るんですね。そうすると風通しが良くなって問題を完璧に解決できるようです。やっぱり僕と同じように、おかしいと思っている人がいたんです。

これから日本の家はますます暖かくなるでしょう。一度暖かい家に住んだ人は寒い家には二度と戻りたくなくなるはずです。だから消費者も暖かい家をメーカーに求めるようになります。そうするとさらに普及して、20年も経つと、「卵のケースのようなもの」が日本の文化だと言われるようになるかな?

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