ちょっと宗教っぽい?日本の資本主義

アメリカの資本主義は単純明快で「資本主義イコール利益追求」です。利益を最大化する、というのがすべての人達の目標で、これは社会的に善だ、と学校で教えます。あの人より稼ぐ、人を雇うほど稼ぐ、仕事しなくていいほど稼ぐ、いっぱい稼いだらそれを寄付する、そして名前を大学の建物に刻む、みたいな感じ。

日本の資本主義も利益は追求するんだけど、アメリカのように単純明快じゃなくて、面白いことに企業が社会的意味とか、精神的、哲学的な意味を探るんですよ。企業理念とかステークホルダーとか!「私たちは何のために会社を、事業をしているのか」とか「会社は誰のものか」とかね。

アメリカの場合は全くそうじゃないです。「利益の最大化のため」という目標のもとで理念なんか議論の余地がない!「誰のもの」ってもちろんオーナーでしょ、株主でしょ、それ以外の人は雇われてるだけだし!って感じです。

日本は戦後に非常に貧乏な、何もない状態から「元に戻ろう」とか「世界に認められよう」というモチベーションを持っていて、それが成長のドライビングフォースでした。結果として雇用も利益もついて来ました。いまは成功して大きな経済になっているから、戦後モデルのドライビングフォースはなくなってます。そして次の大きな目標はなかなか作れてない。「すべての人々を幸せにしよう」っていう理念はカッコいいんですけど目標にはならないんですよ。資本主義の本にもそういうことは書いてません!だから全体のエネルギーが下がった、と思うんですよね

「人を幸せに」とか言うと、豊かな社会!みたいな議論になりますけど、豊かさっていうのはお金だけじゃないですよね。だからそれを目標にすると曖昧になっちゃう。例えばよりよい製品を作るとして、それが儲かる製品なのか、利益を最大化できるのか、ってことです。ここがズレちゃうと低リターンの環境に陥りやすいんです。

そもそも幸せというのは資本主義の管轄じゃなくて宗教の管轄なんじゃない?日本は唯一の、共通の神様っていうのがいないから、全部ごちゃ混ぜになってません?幸せも事業も同じなんてわけがわからなくなっちゃう!利益もあって幸せもあって社員の保護もあって、そのためにこの事業はいまは儲からないんだけど10年後儲かるかもしれないから続けるね、なんて!

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