ニューヨークでの自己責任初体験

Shimpeiです。

「移民」としてニューヨークに行ってまもなく労働許可証(working visa)を取得し勤め始めた当初に起こった「自己責任」にまつわるお話です。
1985年、外国での初めての勤務の初日、日本人の私は当然の事ながらオフィス生活に必要な「私物」を持って出勤、与えられた机の引き出しに収納しました。ウォークマンや計算機、ライターなど多少金目の物もありました。とはいえ社内はセキュリティ(守衛)もフロアーごとに配置されて一見安全で安心な環境でしたから「盗まれる」なんてまったく考えてもいなかったんですが。
週明けに出勤してみると、、、机の引き出しから全ての私物がなくなっていました。
「社内で盗難」日本では考えられない事実に直面して怒り露わにセキュリティに告げると彼は「落ち着けよ、ところで週末引き出しのカギをかけて帰ったのかい?」と平然として
聞いてきます。
私、「カギ、かけてない、社内なんだし」
彼、「それは貴方の過失だよ、あなたの自己責任だよね」
現場を見に来てくれるわけでもなく、私のミスを指摘し、上司に報告するからとなくなったアイテムをメモしただけでした。
泥棒さんも悪いけど、捕られた側も不備があれば「自己責任」となる、そういう社会に住み始めたんだな、という体験でした。

米国で金融商品取引(主にリテール)のセールス教育プログラムに参加した時に割かれた時間の大半は「自己責任原則」をどう顧客に理解させるか、という事でした。
要は「取引において損失を被ったとしても、投資家が自らのリスク判断でその取引を行った限りは、その損失を自ら負担するという」という原則なのです。
商品を持ち込むのはセールス、商品の組成は会社であるわけで自分達を守るために、納得して購入したんだから損失責任の所在は顧客ですよ、とわざわざ強調している気がしましたね。

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