株式相場には「Sell in May」(5月に売れ)(Sell in May and go away)という英語表現があります。つまり5月から秋までのパフォーマンスは歴史的に良くないという説があるんです。幸いにも今回の日本株式市場ではそうはなりませんでしたが。
面白いことに株式市場の各ステージには、ロジックというか流れがあります。今回、サマーラリー(Summer Rally)の有無に関わらず、まだアップサイドはあるだろうというのが市場のコンセンサスだし、僕もそう思っています。まだ上がり切っていないというのが結論かなと。
最近では大型株も多くの良質な小型株も、明らかにフェアバリューゾーンの高めの領域に入っています。業績もいいし、バリュエーションが高くてもまだクレイジーに高い領域には入っていないため、自分が前から保有している銘柄については持ち続けやすいです。一方、成長型銘柄を新たに保有することについて、自分としてはすごく抵抗があります。
自分が安心して保有している銘柄についても同じことが言えます。つまり、今の価格でその銘柄を買いますかと言われたら、おそらく買わないという銘柄が大半でしょう。そうであれば、株式市場そのものに対する強気の姿勢で保有し続けるか、それともそもそも長期保有のつもりでありながらも、クレイジーに高い領域に入ったら売る、というどちらかのスタンスをとることになります。
最後に、僕が予想したというより、そうならないとおかしいというようなレベルの話ですが、バリュエーション的に安く、経済が本当に強くなれば銀行の利益が伸びるだろうということで銀行株、金融株が面白いと以前から言っていました。これがまさに最近動き始めました。今までもそうだったので業績が伸びたら、簿価以上のバリュエーションがつくだろうと思います。こんな単純なロジックで金融株が一番わかりやすいかなと思っていますが、素晴らしくスムーズに上がる夏になるのか、はたまた不安定な夏になるのかはまだ見えませんね。